和装
結婚のイメージというと、互いを愛し慈しみ合うことで結ばれる、というのが一般的なものです。実はこの「愛」が仏教語で二つの意味を持ちます。

ひとつは、「一切苦悩を説くに愛を根本と為す」と『涅槃経』にあるように、「愛」は迷いやむさぼりの根源となる悪の心のはたらきをいいます。「愛」のサンスクリット語「トリシュナー」の意味は「渇き」です。のどが渇いたときに水を欲しがるような本能的な欲望で、むさぼり執着する根本的な煩悩を指します。

もうひとつは、このような煩悩に汚された愛ではなく、「和顔愛語」(わげんあいごう)のように、けがれていない愛も説かれています。仏・菩薩が衆生を哀憐する法愛のことで、たいてい「慈悲」の意味を持ちます。

さて、愛には二面性がつきもの。互いを慈しむ愛を育んでいきたいものですね。